2011年2月12日土曜日

秘密兵器?

今回、装置を新調するにあたって「試料アライメントの簡略化」を企んでいます。

一般的に、反射率計では非常に浅い角度で中性子ビームを試料に入射するため、試料の位置や角度を微調整する機構が必要になります。
X線だとビーム強度が十分つよいので実際のビームで調整するのが普通ですが、中性子はそれと比べるとビーム強度が弱いため、例えばレーザー光でビームラインを模倣し、そこに試料を目視であわせる、といったことを行っていました。
J-PARCになってビーム強度が劇的に増加したため、実際のビームで調整を行うようになったのですが、ちょっと変なことが起きると今どういう状況かわからなくなってしまうことがたまにありました。


そこで、レーザー変位計/角度計を用いて実際に試料の高さと角度を測量、調整してしまえば中性子を一切使わずに試料のアライメントができるのではないか?と考え、これを導入してみました。
上の写真が導入したレーザー角度計で、液面(→常に水平)を用いて試料が水平になったときにレーザーが垂直に入射されるように調整しました。
これを使えば、固体の試料でも水平レベルが出せるため、そこを基準にステージの角度を調整していけば希望の入射角で中性子を照射することができるはずです。
なお、この際の水平レベルの精度ですが、おそらく±0.01度ぐらいの範囲で調整できるのではないかと考えています。
これは実際の実験にとって十分な値で、うまく機能してくれるのではないかと期待してます。
高さについては写真の右上に少しだけ写っているレーザー変位計を使えば原理的には0.5umの精度で位置が測定可能なので、こっちは問題ないでしょう。

ただ、今回テストしてみたところケーブルの長さが足りてない、ということに気がつきました。
延長ケーブルは入手可能なので、手に入ったら再度挑戦してみたいと思います。

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