2011年11月9日水曜日

論文掲載情報

新たに論文が掲載されましたのでご報告します。
N. L. Yamada, N. Torikai, K. Mitamura, H. Sagehashi, S. Sato, H. Seto, T. Sugita, S. Goko, M. Furusaka, T. Oda, M. Hino, T. Fujiwara, H. Takahashi, and A. Takahara, "Design and Performance of Horizontal Type Neutron Reflectometer SOFIA at J-PARC/MLF", Euro. Phys. J. Plus, 126, 108 (2011).
タイトルの通り、SOFIAの設計とパフォーマンスに関する論文です。

2011年9月25日日曜日

論文掲載情報(追記)

先日掲載情報をお伝えしましたが、もう1件新たに論文が掲載されました。
N. Torikai, N. L. Yamada, H. Sagehashi, T. Sugita, M. Furusaka, Y. Higashi, M. Hino, T. Fujiwara, H. Takahashi, "Development of a Physically Bent Cylindroid Mirror for Beam Focusing for a Pulsed Neutron Reflectometer", IOP Conf. Ser.: Mater. Sci. Eng., 24, 012016 (2011).

ちなみに、こちらで把握している限り、あと2報の論文が査読中です。

2011年9月23日金曜日

論文掲載情報

反射率計を用いた成果ですが、新たに論文が2件掲載されました。
- R. Inoue, K. Kawashima, K. Matsui, M. Nakamura, K. Nishida, T. Kanaya, and N. L. Yamada, "Interfacial properties of polystyrene thin films as revealed by neutron reflectivity", Phys. Rev. E 84, 031802 (2011).
- H.-J. Liu, U.-S. Jeng, N. L. Yamada, A.-C. Su, W.-R. Wu, C.-J. Su, S.-J. Lin, K.-H. Wei, and M.-Y. Chiu, "Surface and Interface Porosity of Polymer/Fullerene-Derivative Thin Films Revealed by Contrast Variation of Neutron and X-ray Reflectivity", Softmatter 7, 9276 (2011).

本格的に実験ができるようになって2年弱。
成果の方も徐々に増えてきています。
ビームは残念ながら停止していますが、投稿中の論文もいくつかありますし、これからも継続的に成果の報告ができるのではないかと期待しています。

2011年6月10日金曜日

T0回転試験終了

今日、T0チョッパーの回転試験が完了しました。
問題なく動作することが確認でき、ほっとしています。
これで、ほぼ全ての機器について確認を完了し、地震による大きな被害はなかったことが確認できました。
スリットは反射率計の大事なパーツの1つなので、これについては念のため精密検査を行うかもしれませんが、とりあえずビームが出た後に光軸調整などを行えば以前と同じように動かせる公算が高いです。

これからビーム運転までは、試料環境の整備など、さらなるアップグレードを試みる予定です。

2011年4月21日木曜日

BL16被害状況 (4)

昨日から中性子源セクションの方々の協力を得てビームシャッターを抜き出してもらい、本日、中にあるミラーの目視を行うことができました。
一部フランジのねじが緩んでいたものの、幸いなことにミラーの破損等は確認されませんでした。
今回はとりあえず被害状況の確認ということで、明日シャッターは元の位置に戻されます。

あとはT0チョッパーが無事に動いてくれれば、BL16で重大な損傷はなし、ということになります。
1Hzで低速回転した感じでは、25Hzもうまく回ってくれるのではないかと期待しているのですが…

2011年4月12日火曜日

BL16被害状況 (3)



これまで別の作業にクレーンが使用されていたため、前置き遮蔽体の解体と内部の被害状況確認ができていなかったのですが、11日にクレーンの確保、および前置き遮蔽体内部の点検作業を行うことができました。
写真は外部からみた中の様子ですが、幸いなことに外観からは被害が確認できませんでした。
中に入り、上流にあるフランジを開けて中のガイド管の確認も行いましたが、こちらも問題ありませんでした。
また、ディスクチョッパーの動作試験を行ったところ、25Hz運転、位相制御共に問題なしでした。

今回もこちらに詳細なレポートをアップしていますので、興味がある方はどうぞ。

2011年4月4日月曜日

BL16被害状況 (2)


これまで電気等の復旧ができていなかったため、本格的な被害状況の確認ができていなかったのですが、本日通電を行い本格的な被害状況の調査を開始しました。
写真を見ていただければ分かるかもしれませんが、幸いなことに今のところ軽微な被害しか確認できていません。
明日にでも通常アクセスできる範囲内での機器は確認が完了すると思います。
もっと上流の機器についてはクレーン等の作業が必要になりますので、他の装置との兼ね合いを見ながら点検を行う予定です。

こちらに詳細なレポートをアップしていますので、興味がある方はどうぞ。

2011年3月24日木曜日

BL16被害状況

今日、MLFに入室する機会を得たので、BL16の被害状況を簡単に確認しました。
電気等が復旧したら、また詳細なチェックを行う予定ですが、取り急ぎ今回の作業で得
られた情報をまとめました。
こちらより閲覧可能となっています。

東海村もようやくライフラインが復旧完了しつつあります。
まだ、物資は不足していますが、徐々にJ-PARCの被害状況確認と復旧に向けた動きが出始めています。
まだまだ通常の生活に戻れない人が多い中、すぐに復旧、というわけにはいかないかと思いますが、できる限り早く実験が再開できるよう努力していきたいと思います。

2011年3月13日日曜日

地震情報

J-PARCですが、幸いなことに人的被害は出ておりません。
http://www.kek.jp/J-PARC/
ただし、装置の方は復旧は未定です。
建物は外周の多くが沈下しており、非公式ですが復旧に半年以上かかるかもしれないとの連絡を受けています。

東海村でもそれなりに大規模な被害でしたが、東北の被害はさらに甚大と聞いています。
被災地の皆様の無事をお祈りいたします。

2011年3月1日火曜日

掲載情報(追記)

2/3の論文掲載情報についてですが、同じproceedingsにもう1件BL16関係の論文が受理されているとの報告を受けたのでここに追記します。
- N. Torikai, N. L. Yamada, D. Kawaguchi, A. Takano, Y. Matsushita, E. Watkins, and J. P. Majewski, "Depth distribution of different solvents in a phase-separated block copolymer thin film", J. Phys.: Conf. Ser. 272 (2011) 012027.

2011年2月28日月曜日

重大発表!?

2/19にビームが停止してからちょこちょこと工事してます。

1. T0チョッパーの配線を光ファイバーに変えました。
放射線に弱い部品を外に出すのが目的でしたが、副次的効果としてノイズが減って回転が安定した気がします。
すばらしい。
2. 遮蔽体内にエアコンを入れました。
通常、装置とは熱と湿気に弱いものですが今までノーケアだったので、新しい装置の寿命が少しでも延びるようにエアコンでケアしてあげることにしました。
まぁ、普通のことなんですが。

さて、ここからが重大発表(?)です。
今まで使ってきた"ARISA-II"という名前ですが、これはKEKの中性子源で使っていた"ARISA"反射率計をJ-PARCに移設してきたことに由来して名付けられました。
しかし、ARISAのコンポーネントはすべて撤去してしまい、いつまでもこの名称を使い続けるのもおかしい、ということで、このたび名前を変えることになりました。
この装置はJST/ERATOの高原ソフト界面プロジェクトとの共同研究でアップグレードしましたので、これにちなんで
  ソフト界面解析装置 SOFIA (SOFt Interface Analyzer)
と変更するよう手続きを進めています。

SOFIAもARISAと同様に女性の名前となっており、知恵を原義としているということで実験装置にふさわしいかなと考えております。
最初は慣れないかもしれませんが、ARISA同様仲良くしてもらえるとうれしい限りです。

2011年2月12日土曜日

秘密兵器?

今回、装置を新調するにあたって「試料アライメントの簡略化」を企んでいます。

一般的に、反射率計では非常に浅い角度で中性子ビームを試料に入射するため、試料の位置や角度を微調整する機構が必要になります。
X線だとビーム強度が十分つよいので実際のビームで調整するのが普通ですが、中性子はそれと比べるとビーム強度が弱いため、例えばレーザー光でビームラインを模倣し、そこに試料を目視であわせる、といったことを行っていました。
J-PARCになってビーム強度が劇的に増加したため、実際のビームで調整を行うようになったのですが、ちょっと変なことが起きると今どういう状況かわからなくなってしまうことがたまにありました。


そこで、レーザー変位計/角度計を用いて実際に試料の高さと角度を測量、調整してしまえば中性子を一切使わずに試料のアライメントができるのではないか?と考え、これを導入してみました。
上の写真が導入したレーザー角度計で、液面(→常に水平)を用いて試料が水平になったときにレーザーが垂直に入射されるように調整しました。
これを使えば、固体の試料でも水平レベルが出せるため、そこを基準にステージの角度を調整していけば希望の入射角で中性子を照射することができるはずです。
なお、この際の水平レベルの精度ですが、おそらく±0.01度ぐらいの範囲で調整できるのではないかと考えています。
これは実際の実験にとって十分な値で、うまく機能してくれるのではないかと期待してます。
高さについては写真の右上に少しだけ写っているレーザー変位計を使えば原理的には0.5umの精度で位置が測定可能なので、こっちは問題ないでしょう。

ただ、今回テストしてみたところケーブルの長さが足りてない、ということに気がつきました。
延長ケーブルは入手可能なので、手に入ったら再度挑戦してみたいと思います。

2011年2月8日火曜日

標準試料測定

基本的な装置調整がだいたい終わったので標準試料による検証中です。

まずはSiの反射率。かなり細かく角度を振っていますが、すべてよく一致しています。

次に重水素化ポリスチレンの反射率。こちらは膜厚に対応する干渉が見えていますが、その周期等もちゃんと一致しています。

というわけで、基本的な装置調整は何とか終わりました。ただ、実は細かいところを追っていくと問題点が色々見つかったりしています。また、反射強度を規格化するための細々したこともやらなくてはいけません。その辺は、これからもう少し詰めていこうかと思います。

今月のマシンタイムは残り2週間弱。やることもまだまだ残ってます。がんばらねば。

2011年2月3日木曜日

掲載情報

新しい反射率計ですが、整備完了の先が見えつつあります。
今は、これまであまり気にしていなかった細かい箇所を追い込んでいる最中です。

そんな中、BL16を用いた成果の掲載情報が届きました。
- M. Kobayashi, K. Mitamura, M. Terada, N. L. Yamada, and A. Takahara, "Characterization of Swollen States of Polyelectrolyte Brushes in Salt Solution by Neutron Reflectivity", J. Phys.: Conf. Ser. 272 (2011) 012019.
- K. Mitamura, N. L. Yamada, H. Sagehashi, H. Seto, N. Torikai, T. Sugita, M. Furusaka, and Atsushi Takahara, "Advanced Neutron Reflectometer for Investigation on Dynamic/Static Structures of Soft-Interfaces in J-PARC", J. Phys.: Conf. Ser. 272 (2011) 012017.
- Y. Terayama, H. Arita, T. Ishikawa, M. Kikuchi, K. Mitamura, M. Kobayashi, N. L. Yamada, and A. Takahara, "Chain dimensions in free and immobilized brush states of polysulfobetaine in aqueous solution at various salt concentrations", J. Phys.: Conf. Ser. 272 (2011) 012010.
同じproceedingsに投稿したということでまとめて3件の掲載です。

装置整備が一段落したら、装置に関する論文も書かないといけないですね。

2011年1月20日木曜日

run#37開始…?


明日からいよいよrun#37(1/21-2/19)が始まります。
が、色々トラブルがあって新しい装置の調整が終わってません。
ここには間に合わせる予定だったのですが…残念です。

今のところ、来週中に装置調整は完了し、ビームラインの調整に入っていく予定です。
その後は標準試料によるパフォーマンスのチェックや実際の試料を用いたテスト実験に入ります。
写真は現在の装置の様子です。