2008年12月23日火曜日

初データ!


今日から、J-PARC MLFの共用ビームが開始されました。反射率計でもNiミラーの測定を行い、無事データを観察することに成功しました。写真は実際の測定画面のスナップショットで、ミラーの厚みに対応する干渉がきれいに観測されているのが分かります。
現在の陽子ビーム強度はKEKで動いていたKENS相当ですが、モデレーターでの強度ゲインもあり、既に全く別の装置で実験しているような感覚です。まだ、細かい点でのチューニングは必要ですが、装置の将来性を実感することができました。明日以降は、さらなる基礎データの収集と共に、バックグラウンド低減のための処置を行う予定です。

2008年12月17日水曜日

配線完了


16日に引き続き、制御機器の配線を行いました。写真の通り、ARISAと同じ制御PCを用いて測定を行うことができます。また、ハードウェアも同じものを用いているため、基本的にはARISAでこれまでできた実験を行うことが可能です。ここ数日はビームが止まっていますので、現在は「ビーム入射を待つのみ」という状態です。


ちなみに、遮蔽体の中はこんな感じです。

ARISA再起動


KEKで使っていた水平型反射率計ARISAの据え付けが完了し、配線等の復旧作業を開始しました。とりあえずモーターがちゃんと駆動することを確認し、今は遮蔽の外から制御するための配線を行っています。

2008年12月14日日曜日

BL16中性子スペクトルの初観測(12月12日)


中性子源セクションのメンバーによるビーム特性評価測定が行われました.これによりBL16で中性子スペクトルが初めて観測されました.今後,データを解析し,中性子シミュレーション結果との比較が行われます.

2008年12月11日木曜日

IPによる中性子強度空間分布(12月11日)


シャッター操作盤の開ボタンと実際の2本のビームラインの対応を確認することを兼ね,前置遮蔽体コリメータ出口においてイメージングプレート(IP)により中性子強度の空間分布を計測しました.

2008年12月9日火曜日

放射線サーベイのためのビームオープン(12月9日)


新設ビームラインはコミッショニング作業を始める前に放射線サーベイにより問題ないことを確認する必要があります.そのため,夜9時からサーベイのためにシャッターを開け,初めてBL16のビームラインにビームを通しました.サーベイの結果,問題なくコミッショニングが始められることになりました.(写真は放射線サーベイのためにシャッターを開にした時のBL16の赤色表示灯)

2008年12月8日月曜日

主任者検査合格(12月8日)

遮蔽に関する主任者検査を本日,無事に合格しました.これで12月よりビームを使った試運転が正式に許可されました.いよいよです.

2008年12月5日金曜日

PPS関係の主任者検査合格(12月5日)


前置遮蔽体との取り合い部に隙間が残ったため,現場合わせで型を作り,その場でコンクリートを流し隙間が埋められました.PPS関係の主任者検査も無事に合格しました.(写真は前置遮蔽体との取り合い部に詰められたコンクリートの様子)

2008年12月3日水曜日

天井遮蔽の復旧(12月3日)


クレーンの取り合いの関係で,本日,BL16の残りの天井遮蔽がすべて復旧しました.(写真は天井遮蔽の最後の1枚を設置した瞬間)

2008年12月1日月曜日

待望のARISA架台到着(12月1日)


日本中性子科学会年会の初日と予定が重なりましたが,待っていたARISAの架台が出来上がってきました.ビームライン遮蔽内に架台を設置し,ARISAをその上に載せた後,天井遮蔽を一部復旧させ始めました.(写真はBL16の遮蔽内に納めたARISA反射率計)

2008年11月27日木曜日

ARISA in MLF(11月27日)


朝からKENSでARISAおよび関連機器をトラックに積み込み,午後にMLFに搬入しました.(写真はARISAの検出器架台をMLFクレーンでつり上げた様子.)

2008年11月25日火曜日

PPS自主検査合格(11月25日)

出入口扉の電気錠受けが取付けられました.初め電気錠受けの上下が間違って取付けられていましたが,すぐに正しく取付け直され,PPS自主検査の残りを無事にパスできました.

2008年11月22日土曜日

キーチェンジボックス取付け(11月22日)


遮蔽内にキーチェンジボックス(写真),ビームライン側面遮蔽の外側に配線用の金属ダクトが取付けられました.

2008年11月21日金曜日

PPS自主検査



昨日はPPS自主検査を行い、いざと言うときに加速器を止めるパニックボタン等のテストをしました。ただ、ドア周りの工事が間に合わず一部のテストは来週に持ち越しです。

2008年11月18日火曜日

シャッター制御盤とドア制御盤



11/20にPPSの自主検査があるので、それに向けて安全装置等の電気配線の工事が進んでいます。昨日はシャッター制御盤に通電して調整をし、またドア制御盤の取り付け等をしていました。

ARISA引出し作業(11月17日)


KENSの遮蔽体よりARISA本体をメンバー総出で1日がかりで引き出しました.一方,MLFではPPS機器の接続が完了し,BL16のシャッター開閉表示に初めて灯が灯りました.

2008年11月6日木曜日

昨日の状況




昨日までの進行状況です。配線は壁から遮蔽の外まで来ています。また遮蔽の中も配線用の配管の取り付けが進行中です。




2008年10月28日火曜日

10月27日の作業


ケーブルラックのサポート(足)の補強とラックの上段を設置するための角が取り付けられました.

2008年10月25日土曜日

10月25日の作業


ケーブルラックのサポートが立ち上がりました.今日は片側だけ橋を渡したところで作業を終え,残りは月曜日からです.

2008年10月24日金曜日

ラック作り再開



事情で1週間ほど止まっていたケーブル用のラックの製作を再開しました。また今日は遮蔽体と床の間のすき間をモルタルで埋める工事もしました。

2008年10月17日金曜日

コリメーター調整


前置き遮蔽体を外した状態で鉄コリメーター入り口(上流)にアクセスし、レーザー墨だし機で位置の微調整しました。
その後、隙間を埋めるためための遮蔽を設置してから前置き遮蔽体を元の位置に戻しました。
前置き遮蔽体を外すのは大変ですが、これで当面はコリメーター上流での作業は終了です。

2008年10月16日木曜日

10月16日の作業


ビームライン遮蔽の外側の塗装が行われました.出入口扉の色は遮蔽とは別の色にし区別しやすくしようと思っています.

2008年10月8日水曜日

10月7日の作業


出入口扉を設置しました.結局,向かって右側にヒンジが来るように扉を設置しました.前置遮蔽体出口付近の作業を行うため一度仮組みした天井遮蔽を解体しました.

2008年10月7日火曜日

10月3日の作業


天井遮蔽を一通り上流から設置し,設計通りに組上げられるかを確認しました.また,BL16のビームライン遮蔽の塗装色は,「水」をイメージし,写真中の天井パネルの表側に見えているような「水色」となります.

2008年10月2日木曜日

10月2日の作業


今日は遮蔽としては一番下流の側面パネルを1枚仮置し,鉄コリメータと出入口扉の搬入を行いました.出入口扉については設置するための段取りがつきました.一方,鉄コリメータは取り敢えずコンクリートブロックのビーム孔に収まるようですので,後日,測量をしてから正しく設置することになります.

2008年10月1日水曜日

引き続き遮蔽体の設置


今日も昨日に引き続き遮蔽体の設置を行いました。終日の作業だったため設置は順調に進行し、合計5枚の遮蔽体側面と2本の梁を設置することができました。残る遮蔽体は出口部分の側壁2枚と天井部分7枚です。外観もずいぶんと遮蔽体らしくなってきました。
明日は遮蔽体の設置に加え、いよいよ分光器本体の最上流部分、鉄コリメーターが納入され、設置のテストが行われる予定です。

9月30日の作業


MLFのビームコミッショニングのため暫くお休みしていた遮蔽の設置作業を再開しました.午前中だけの作業でしたが,写真右手の一番上流側の側面遮蔽を本設置し,ピットを挟み反対側の遮蔽との間にフレームを固定しました.また写真右手の上流側から3番目の側面遮蔽を設置しました.午後からはBL14で巨大な真空槽の搬入が行われます.

2008年9月21日日曜日

J-PARC反射率計研究会


19日(金)にJ-PARC反射率計で目指すサイエンスについての研究会をKEKで開催しました.1日だけの非常に慌ただしいプログラムでしたが,多くの興味深い話を聞くことができました.お忙しい中,ご発表いただいた皆様どうも有難うございました.これからJ-PARCに反射率計が立ち上がっていきますが,利用者の方々と連携し新しいサイエンスを展開できればと思っています.今後ともご支援,ご協力を宜しくお願いいたします.

2008年9月18日木曜日

BL16遮蔽設置作業(9月18日)


今日は午前中だけの作業でしたが,BL17側の一番上流のパネル1枚とビームストッパーのブロックが2個つみ上がりました.明日からMLFのビームコミッショニングが始まるため,遮蔽の設置作業はしばらくお休みです.作業は10月1日からの再開を予定しています.

2008年9月16日火曜日

遮蔽体、およびビームダンプの設置

引き続き遮蔽体の設置を行うと共に、ダイレクトの中性子ビームを止めるためのビームダンプ(20t以上!)を設置しました。徐々に装置の外観が見えつつあります。

2008年9月12日金曜日

遮蔽設置作業(9月12日)


午前中に門型フレーム2つを本設置した後,BL14側のフレーム間の側面遮蔽(写真左手の薄い水色のパネル)1枚を午後に仮設置しました.来週から本格的に遮蔽設置作業が始まります.

2008年9月11日木曜日

墨出しと支柱の設置


今日はまずは墨出し。その後クレーンが空いたので、支柱となるブロック2つを設置しました。

J-PARC反射率計研究会プログラム(9月19日)

たいへん遅くなりましたが,来週19日(金)にKEKで行うJ-PARC反射率計のサイエンスに関する研究会のプログラムが決まりました.ご覧ください.

J-PARC反射率計で目指す新しい界面科学に関する研究会
日時:平成20年9月19日(金)9:00〜
場所:KEK4号館2F輪講室1

研究会プログラム

9:00-9:10(10分)
「はじめに」瀬戸秀紀(KEK物構研)
9:10-9:40(30分)
「J-PARC中性子反射率計の測定性能とスケジュール」鳥飼直也(KEK物構研)
9:40-10:00(20分)
「GISAXS/AGISAXSとの相補的利用を念頭に置いた中性子薄膜散漫散乱への期待」奥田浩司(京大院工)
10:00-10:20(20分)
「シンクロトロンX線反射率測定による液/液界面膜構造の研究」 瀧上隆智(九大院理)

10:20-10:30(10分)− 休憩 −

10:30-10:50(20分)
「固-液界面の液体組織化構造の研究:界面分子マクロクラスターを中心に」水上雅史(東北大多元研)
10:50-11:10(20分)
「リチウム二次電池の電気化学反応の解明に向けて」米村雅雄(茨大院理工)
11:10-11:30(20分)
「グラファイト表面と白金微粒子との界面相互作用」近藤剛弘(筑波大院数理物質)
11:30-11:50(20分)
「白金表面上の水構造の電位依存性−電場下の第一原理分子動力学シミュレーション−」 大谷実・池庄司民夫(産総研計算科学)

11:50-13:20(90分)− 昼食 −

13:20-13:40(20分)
「反射率法による水面高分子組織体研究の現状と展望」松岡秀樹(京大院工)
13:40-14:00(20分)
「水面上に展開した生体脂質分子の中性子反射率測定−ミトコンドリア主要リン脂質であるカリジオリピン単分子膜を中心に−」高橋浩(群大院工)
14:00-14:20(20分)
「中性子反射率測定による高分子表面・界面の構造評価」田中敬二(九大院工)

14:20-14:30(10分) − 休憩 −

14:30-15:30(60分) ディスカッション

2008年9月10日水曜日

搬入2日目


遮蔽体搬入2日目。今日はトラック3台でやや小さめ(と言っても1つ3〜7tはあるのだが)の遮蔽体ブロックを搬入しました。写真はビームライン周辺に積まれたブロックたちで、これ以外にも何個かハッチの近くに積まれています。これらの組み立ては来週から始まる予定です。

2008年9月9日火曜日

遮蔽体搬入開始


今日から遮蔽体搬入開始。朝9時から午後3時まで大型トラック5台でハッチから実験ホールに搬入しました。

8/25-9/3の建設状況


8/25-9/3にかけて、前置遮蔽体の解体と復旧を行い、ビームラインの測量を行いました。まず、1枚目の写真は前置遮蔽体解体前のものです。


2枚目は前置遮蔽を解体した後のもの。この状態で測量したところ、ビームセンターが設計から20〜30mmずれていることが判明しました。



そこでビーム取出のコンクリートブロックの配置を工夫して、何とか前置遮蔽体を復旧させることができました。それが3枚目の写真です。

今年度の計画


 今年度は、とりあえずKENSで使用していたARISA分光器をJ-PARCに移設します。予算の関係で2本のビーム取り出し口のうち1本しか使いませんが、光学系の工夫により入射角を4種類取れるようにして比較的大きなQまで測定可能にする計画です。

概略図(当初計画による)