2010年10月21日木曜日

バックグラウンド対策(1)


今回、バックグラウンド対策としてT0チョッパーを設置し、高速中性子の除去を試みました。
中性子反射率計は主に長い波長の中性子を使うため、ただ設置するだけでは大きなメリットはないのですが、使用する波長を定義するディスクチョッパーを半分の回転数で動作させることにより、使える波長範囲を倍にすることができます。
これは、時分割測定のように広いQ領域の同時測定が求められる場合に有効な手段です。

ということで、T0チョッパーの設置に合わせてディスクチョッパーを25Hz→12.5Hzで動くように改造しました。
早速12.5Hzで動かして入射中性子の波長分布をみたのですが、第2フレームの頭に変なピークが観測されてしまいました。
40msぐらいのものすごく鋭いピークはT0チョッパーでも止められなかった高速中性子のピークです。
これはほんのせまい領域の中性子が使えなくなるだけなのでまだ良いのですが、そこから少し遅れたところにもう1つピークが現れています。
原因を調査してみたところ、これは高速中性子ほどではないけれど、それなりにエネルギー(すなわち透過力)が高い熱外中性子であることが分かりました。
これはディスクチョッパーで止めるべきものなのですが、元々は高いエネルギーの中性子を相手にする予定ではなかったため、遮蔽がたりなかったようです。
現在はディスクチョッパーの遮蔽材としてガドリニウムを薄く塗布したものを使用しているので、これを変更して熱外中性子を止められるよう検討しています。


そしてもう1つ、バックグラウンド対策を用意しています。
今日調整が終わり、現在その効果を検証中です。

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