2009年12月13日日曜日

2次元検出器


ついに2次元検出器が届きました。
待ちに待った多次元測定への第一歩です。
最も一般的な中性子の検出器は3Heを用いたタイプのもので、3Heが中性子を吸収した際に生じる電荷を検出することにより電気信号へと変換されます。
一方、今回導入したのはZnS/6LiFシンチレーター+位置検出型光電子増倍管で、シンチレーターという中性子を吸収することにより光を発する物質を用い、それを光検出器で観測することで中性子を検出します。
シンチレーターは3Heと比較して検出効率が低い・ガンマ線感度が高いといったデメリットがある一方、最大計数率や分解能が比較的高く、2次元検出器の中ではかなり安価に導入できるというメリットがあります。
特に、今までは位置分解能をもたない0次元の検出器を使用してきましたので、得られる情報が非常に限られてきましたが、検出器が2次元化すれば物質界面を多次元的に観測することが可能になります。

早速これを使って実験を行いたいところですが、まずは検出器自身の調整からです。
今回購入した検出器はKEKの佐藤さんが精力的に開発を進めていましたので、特に中性子を検出した際の信号処理回路についてヘルプをお願いしました。
そのおかげで、特に大きなトラブルもなく順調に動き始めています。
現在、色々な特性評価を行っている最中ですが、期待通りの性能が出ている模様です。
詳細については、またまとまってからアップする予定です。

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