2009年11月13日金曜日

run#27@100kW 初データ


ついに100kWになりました。
すごいです。

上の図は東大の横山グループの実験で得られた高分子と重水の界面からの反射率プロファイルで、膜厚(約1300Å)に起因する干渉と平滑な界面に起因する運動量遷移Qの-4乗に比例した反射率の減衰が見事に観測されています。
このデータは2Åから9Åの中性子を使用したもので、測定時間は0.30度、0.75度、2.0度でそれぞれ約5分、10分、100分です。
ARISAがKEKにあった頃だと、おそらく1日かけてもこの質のデータはとれていないと思います。
試料の位置調整を含めても2時間そこそこでデータがとれてしまいますし、まさに嬉しい悲鳴です。

ただ、同時に今まで気づかなかった細かい問題点もいくつか見えてきました。
大きな問題点がつぶれると、こういった細かいところが装置の性能に効いてきますので、今後色々と対策を施していきたいと思います。

2009年11月9日月曜日

100kW前夜


明日からrun#27が開始です。
予定では、20kWから100kWへと加速機出力が増大することになっています。
個人的には今でも結構強いと感じているので、これが5倍になるとどうなるんだろう?とちょっとどきどきです。

と、その前に、前回のrunで色々と測定はうまくいったのですが、バックグラウンドがまだ高いのが気になっていました。
まぁ、本来ケアしておかなくてはならない試料-検出器間のパスががらあきだったので、当然と言えば当然の結果です。
そこで大至急このパスを埋める筒を作ってもらい、今日無事に設置することができました。

ARISA-IIは着実にアップグレード中です。

2009年10月23日金曜日

調整完了


約2週間のrun#26でしたが、加速機の方も非常に調子が良く、順調に機器を調整することができました。
グラフはNi薄膜からの反射率プロファイルで、だいたい10^-5を切るぐらいまで測定することができています。
ただ、まだバックグラウンドが高いので、来月のrun#27までに手を打つ予定です。

それともう1つ、これまで反射率の絶対値へ変換する際のfactorを定量的に決定することができていませんでしたが、それを解決するためのテストも行いました。
このグラフは定量的に求めたfactorから反射率の絶対値へ変換したデータで、反射率が1から落ちている上に異なる角度がうまくつながっているように見えます。
また、これまでは角度を変える際に検出器のスキャンを行う必要があったのですが、目的の入射角へ半自動的にゴニオメーター・スリット・検出器を移動できるようにプログラムを変更しました。
反射率への変換プログラムも整備しましたし、ユーザーの方へ使っていただく準備が徐々に整ってきています。

来月はヘビーユーザーの方に実際に使っていただき、問題点を洗い出していく予定です。

2009年10月14日水曜日

run#26開始


夏期シャットダウンが終了し、J-PARCが再始動を始めました。
BL16では、この夏に入れた機器の調整を行っています。
特に、長波長成分をカットするために入れたディスクチョッパーの効果は特に顕著で、図のようにチョッパーをONにすると3Å以下の領域で乗っていたバックグラウンドが劇的に減少しました(データは入射角0.6度でのNi薄膜からの反射率)。

run#26は10/22までの日程で、残りの期間はさらなる機器調整や検出器関連のテストを行う予定です。

2009年9月18日金曜日

9月14日~18日の作業


今週は先週設置したチョッパーの動作確認を行うと共に、これまでに設置した機器の位置調整を行いました。
また、新たに中性子経路を制御するためのミラー架台、およびミラーの設置を行いました。
この機構については、上下駆動、角度調整機構のチェックを行い、全てのミラーで無事動作することを確認しました。
これで、今回予定した全ての作業が終了しましたので、前置き遮蔽体を元のように閉じました。
次回、この遮蔽を開くのは来年夏の予定です。

今後の予定ですが、あとはモーター駆動のプログラムを完成させ、動作確認をする作業が残っています。
これについては業者の方が9月中にプログラムを完成させ、10月にプログラムのテストを行う予定です。
その後、今の予定では10/12よりMLFにビームが供給されますので、今回設置した機器の調整を行います。

2009年9月10日木曜日

9月8日~10日の作業


今週は、新たに設置した鉄コリメーターの駆動機構を確認すると共に、ディスクチョッパーの設置を行いました。
これは遅い中性子によるバックグラウンドを落とすためのチョッパーで、25Hzで中性子パルスと同期させて運転します。
ただし、25Hzと言いますと1500rpmとそれなりに高速ですので、運転には注意が必要です。
今回は、ディスクチョッパーはテスト用の架台で25Hzで一晩以上の安定動作することが確認した後、実際の架台への取り付けを行いました。
来週はこのチョッパーの駆動をつめていくとともに、中性子経路を制御するためのミラー架台の設置を設置します。
その後、前置き遮蔽の復旧し、ビーム受け入れに備える予定です。

2009年9月7日月曜日

9月1~3日の作業


鉄コリメーターが納入されたので、先日くみ上げた遮蔽をいったんばらしてからコリメーターを挿入し、再度遮蔽を元の位置に設置しました。
写真の通り、上から吊るようなかたちになっていて、モーターで上下するようになっています。
この駆動機構に加え、今回はディスクチョッパー、水面測定用ミラーの制御にも多数モーターを使用しますので、そのためのケーブルを遮蔽体内へ入れ込む作業も行いました。
あとは残りの機器を設置、配線し、動作確認を行ってから遮蔽体を再び閉じる予定です。